2021年2月10日
地震が起きた時、エレベーターはどのような挙動をするのか、ご存知でしょうか?
エレベーターは地震発生時、地震の被害をできるだけ少なくするために、最新のシステムが搭載されています。
地震発生時に発動されるエレベーターの安全装置の解説や、地震発生時にエレベーターの中にいた際、どのように行動すればいいか紹介していきます。
ぜひ参考までに最後までご覧ください。
地震発生時に発動されるエレベーターの安全装置
【制震システムー地震時管制運転装置】
2009年にエレベーターへの地震対策システムとして「制震システム」の搭載が義務化され、現在では全国のエレベーターの約7割に搭載されています。
地震を感知すると自動的に最寄りの階まで進み、エレベーターを停止させ、ドアを開けるシステムです。利用者が閉じ込められたり、地震でエレベーターが破損したりするリスクを最小限に抑える機能です。
地震発生時には、本震(S波)の前に初期微動(P波)がおきますが、それを事前に検知する機能です。P波を検知したら最寄りの階で自動停止し、扉が開いて利用者を避難誘導するアナウンスが流れます。
これがエレベーターに使用されている地震感知器です。
【戸開走行保護装置】
地震によって駆動装置や制御装置に故障が発生した場合に、エレベーターの扉が開位置に移動しないようにする安全装置です。
仮にエレベーターの扉が開いた状態で動き出した場合、それを素早く検知し、扉が開いた状態でのエレベーターの移動を防止します。
エレベーターのドアとの引っ掛かりや落下を防止する大事な機能となっています。
この機能は、東京港区で挟まれ死亡事故が起きてから、2009年以降設置のエレベーターに標準装備されています。
【地震発生時にエレベーターに閉じ込められてしまったら?】
ここまで紹介した機能は、すべてのエレベーターに搭載されているわけではありません。
中には非常に古いエレベーターもあり、何も安全装置が装備されていない場合があります。
そういった場合、閉じ込められてしまうことになるのですが、あせらず緊急用インターホンを使って助けを呼びましょう。
インターホンはほとんどのエレベーターに搭載されており、停電時でも繋がるようになっています。
携帯電話で連絡する方法もありますが、建物名やエレベーターの位置など正確な情報を伝える必要があるため、非常呼び出しボタンを押し続けて外部と連絡をとることをお勧めします。
【閉じ込められたエレベーターの中で絶対にしてはいけないことは?】
最後に「閉じ込められたエレベーターの中で、絶対にしてはいけないこと」を紹介します。
結論から言いますと、決してドアをこじ開けようとしないでください。無理に出ようとするのは非常に危険です。また、映画のように天井から逃げようとしないでください。エレベーターはもちろんのこと、その建造物の構造を熟知していなければ、天井から出たところで意味がありません。
まずは落ち着いて、備え付けの非常呼び出しボタンを押すことが大事です。